ミッション不良にて中古ミッション交換後の制御処置ご依頼にて業者様よりお預かりした、W221/ベンツS500の作業です。
現車はシフトを入れてPは抜けるけれどもミッションの駆動力が発生せず、車両を動かすことが出来ない状態です。
搭載されているミッションは722.9型7速電子制御ミッションで、ミッション交換後ディーラーに処置を依頼したところ「違うミッションが載っているから無理です」と断られた模様。
ここでいう「違うミッション」とは「他車に搭載されていた中古ミッション」という意味で、ミッション非分解のままだとミッション内部のECUも他車のものなので、その状態ではディーラー診断機でも同期させることは不可能です。
DTC(故障コード)を確認しても分かる様に、異なる車番のミッションECUにより送信されたスタートOKのネットワークシグナルが無効状態に陥っています。
722.9ミッションのECUはバルブボディの上に鎮座しているエレクトリカルプレートに内蔵されており、バルブボディに備わっている各センサー/アクチュエーターを制御しています。
このミッションECU(EGS)は個々の車両の車体番号が登録/個別化されたプログラムがされており、他車に個別化されたECUは基本使用不可=ディーラー診断機であるDAS等では個別化解除不可能→車体番号変更は不可能となります。
その為、今回の様にミッション本体を交換した際は、最も簡単な考え方が「バルブボディを降ろして分解してECUプレートを元の部品へ組み替える」…ですが、ミッショントラブルの多くはプレート側(バルブボディ側)に問題が発生しているケースが多く、可能であれば正常起動していた中古ミッションの部品を利用して、全て交換して使用する方が確実性は高まります。
そこで異なる車番の中古ミッションのECUを、特殊なプログラミング処置にて「個別化解除」処置を実行します。
新品部品状態と同じように一旦プログラムされた個別化データーをリセットしてしまうので、そのまま取り付けた状態では未だ、様々なエラーを検知して制御作動を行いません。
その後DAS診断機にて新品交換時同様に現車へと個別化プロセスを実行し、他車に使用されていた中古ミッションのECUが現車用に同期しロックします。
W221の場合は電子シフトであるISMが備わっているので、セレクトレンジセンサーの学習プロセスも実行/終了した後は、中古ミッションが現車用に正常制御を行うようになります。(注意:ミッション側面に備わっているISMも個別化されたECUなので中古部品変更時は同じように個別化解除処置が必要)
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