高電圧回路の絶縁警告/ベンツGLC350e

バッテリー故障の警告表示が度々発生し、エアコンも効かなくなってしまった、X253モデル/ベンツGLC350eの診断です。

バッテリーマネージメントシステム（BMS）のDTC（故障コード）を確認すると、ハイブリッド高電圧電源回路に対する絶縁警告が履歴にて検知されています。

この内容は高電圧電源回路の絶縁抵抗が異常値を検出した際にセットされるDTCなので、ボディ側との干渉等によりショートしていないか点検する必要性があります。

そしてエアコンコンプレッサー制御不良の確認を行うと、コンプレッサー本体に対する機能障害を検知している状態。

ハイブリッドモデルのエアコンコンプレッサーは、ベルト駆動ではなく高電圧回路による電動式コンプレッサーとなります。

点検を進めるもコンプレッサーステータスがロックのまま解除出来ず、おそらくコンプレッサーモーターの内部ショート等により絶縁警告まで発生している症状と予測出来ます。

こういった高電圧回路に纏わる交換作業等を実施する際は、まずテスター等を使用して高電圧車両電源回路の作動解除プロセスを実行します。

電動式コンプレッサーを組み換え後は高電圧回路の作動開始プロトコルを実行して、再び高電圧回路を作動状態へと導きます。

コンプレッサー交換作業後はコンプレッサーステータスも正常値になり、機能制御も正常復帰。

心配していた高電圧電源回路の絶縁抵抗値も、問題の無い実測値を示し無事納車完了です。

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